キャッシュレス化が進んでいるシンガポール
ここ最近キャッシュレス化の話題が多いと思う。
わたしは今年の6月からシンガポールに赴任しているのだが、キャッシュレス化の観点ではシンガポールの方が日本よりも2歩も3歩も先を行っていると感じる。
なぜシンガポールではキャッシュレス化が進められるのか、日本が学ぶべきことはなにかを考えてみた。
なぜシンガポールではキャッシュレス化が進むのか?
1. 若い人が多い
1つは若者が多いことだと思う。65歳以上の人口は1割弱で、いわゆる生産年齢人口が全体の7割弱を占める。ここが日本とは大きな違いだと思う。これだけでもキャッシュレス化を進めるハードルはぐっと下がるのではないだろうか。
2. 国が強力に推し進めている
日本もようやく国が推し進めるということを発表するようになってきているが、シンガポールの推進の仕方は日本とは比較にならないほど強力だと感じる。
たとえば以下でつぶやいたように、完全に国が主導しているのである。
これも先日の記事の日本語版→シンガポール、統一QRコードを発表、キャッシュレス化に大きく前進 https://t.co/J1P1bqNSFf
— わたる (@wataruo) 2018年9月20日
3. 現金よりもオトクなことが多い
一例をあげる。
Grab(Uberと同様な配車サービス)ではGrab Payで支払うと現金よりも50セントとか1ドルとか安くなる。これは囲い込みの作戦でもあるが、こういケースが多々ある。
やや話題がずれるが、シンガポーリアンはこういうところには敏感らしく、こういうサービスをやると利用者が増え、やめると離れていくという傾向が日本よりも強いようだ。全体的に物価が高いので、こういう割引サービスには敏感なのかもしれない。
日本がシンガポールから学ぶべきこと
とにかく国が主導して進める
先日、以下のようにつぶやいたけど、これはこれですばらしいことだと思う。でもやはり「民」だけでは限界がある。 国が本気でやらないとなかなか進まないだろう。
よいこと。でも正直なところやっとか、、って感じる。 https://t.co/BCFAC4Dw40
— わたる (@wataruo) 2018年9月20日
失敗を恐れるな
シンガポールもすべてが順風満帆というわけではない。
たとえば先程挙げた「統一QRコード」の件もそうである。参入のハードルを極端に低くしたためものすごい勢いで普及は進んだ。しかしその結果として、レジの周りには支払受付用の端末が数種類置かれていて、さらに読み取り用のQRコードが数種類貼られているという美しくない状態になってしまった。その是正措置のひとつとして出てきたのが「統一QRコード」なのである。
失敗を恐れて何も進まないのではだめで、進めてみてだめなところはすぐに直していくというやり方がシンガポールのやり方だと感じる。日本がどこまでできるかはわからないが、リスクを負って進めてくれることを期待している。
キャッシュレス化の先にあるもの
ユーザー(顧客)にとってはメリットが多いと思う。小銭を持ち歩かなくてすむし、割り勘もスマホで一瞬で完了なんてこともできるようになる。デメリットはお金を支払っている感が薄れて無駄遣いが増えそう、、、くらいだろうか。あとは「使えない人」をどれだけ減らせるか、が最も大きな課題だ。
店舗側にもメリットは多いが、過渡期は大変かもしれない。
だが最も大きいのは「提供している側」が得られる情報だろう。誰がいつどこで何にどれだけ支払ったのかという情報が瞬時に集められる。そう考えると、実は国は参入のハードルをちょっとだけ下げるだけでもよいのかもしれない。(そうあって欲しい)
おわりに
シンガポールに来て3ヶ月あまりなので、ホットなのはやはりシンガポールの話題。今回はキャッシュレス化について書いたが、日本に戻ったらどれだけ進んでいるのかが楽しみだ。
(「である調」で書くとどうしても上から目線な感じになってしまうなぁ。。。)