いよいよグループステージの最終節の感想です。決勝トーナメント進出がかかった試合なのでどの試合も今まで以上に白熱した戦いとなりました。
全グループ終わるのを待っていられないので、3回に分けて書きます。今回はグループEとグループFで、最終回です。
グループステージ第3節 試合結果
()内は第3節を終えた時点での勝ち点を示す
国名前の記号の意味は以下の通り
◎・・・1位通過
○・・・2位通過
●・・・3位通過
グループA
グループB
グループC
グループD
グループE
グループF
各グループの感想
グループE
最終的に4チームが勝点4で並ぶという稀な結果となった。
スロバキアとルーマニアの対戦は、前半はじめにペースを握ったのはルーマニアで何度かスロバキアゴールを脅かすも得点には結びつかず。15分を過ぎたあたりから徐々にスロバキアに流れが傾き、23分右サイドからのクロスにドゥダが後ろに下がりながらの難しい体制から逆サイドに強烈なヘディングシュートを決めて先制。その後もスロバキアの優勢が続いたが、37分にルーマニアはハジのドリブル突破からPKを獲得。マリンが冷静に決めて同点とした。その後はお互いにチャンスを迎えるもゴールは生まれず、1ー1で前半終了。後半に入っても一進一退の試合展開だったが、同点のまま試合を終えればグループステージ突破が決まるということはお互いにわかっており、高い位置からのプレスはあまりせず、ブロックを敷いて人数をかけて守るというスタンス。スロバキアがボールを保持する時間が長かったが、リスクを負って攻めることはほとんどなく見どころは多く、試合終了。ルーマニアが1位、スロバキアが3位でグループステージを突破した。それにしても60分過ぎから降り始めた猛烈な雨には驚いた。
ウクライナとベルギーの対戦は、第1節で敗れて第2節で勝利して調子が上向きのチーム同士の対戦となった。ベルギーは初戦の敗戦からDFラインを入れ替えて中盤にティーレマンスを入れたことで守備に安定感が生まれ、中盤がよい意味で押し出され、デ・ブライネが高い位置で前向きにプレーする時間が増えた。3戦目にしてようやくベルギーらしい試合となった。一方のウクライナもベルギーに引けを取らず、特にボールを奪ってからのタテに速い攻撃でベルギーゴールを脅かす。ボール支配率ではベルギーに圧倒されるも、シュート数ではウクライナが上回るという両チームの特徴がよく出た試合となった。結果は0ー0のスコアレスドローで、勝点は同じながらウクライナはルーマニア戦での3失点が響きグループステージ敗退となった。
グループF
すでにポルトガルが1位通過を決めているグループFは残りの1枠ないし2枠を3チームが争う構図。
ジョージアとポルトガルの対戦は、思わぬ結果となった。初出場のジョージアは前節初の勝点を取得し波に乗っており、しかもグループステージ突破には勝利しかない状況。一方のポルトガルはすでにグループステージ突破を決めており、主力選手の多くを休ませた。試合は開始早々にポルトガルのミスからジョージアがゴールを奪い先制し、会場は異様な雰囲気となる。その後はポルトガルがボールを圧倒的に支配するも、攻撃は個の力によるものがほとんどで散発的なものが多く、シュート数こそ多かったが決定的なチャンスはあまり多くなかった。控え選手中心でも勝ち切るスペインと比べると物足りなさを感じざるを得ない。好調を維持しているロナウドも15分の直接FK以外に大きな見せ場はなかった。一方、ジョージアは開始早々の得点以降はしっかり守って、奪ったら速攻という格上相手のオーソドックスな戦い方を徹底。後半にもPKで追加点をあげ、見事グループステージ突破を決めた。ジョージアサッカー界にとって歴史的な一歩となった。
チェコとトルコの対戦は、最も荒れた試合となった。グループステージ突破のためには勝利が絶対条件のチェコは高い位置からプレスをかけてボールを奪いに行く。しかしそれが裏目に出てしまい、20分でバラークが2枚目のイエローカードをもらって退場となってしまう。内容的にはいたしかたなし、といったところだが、ここから主役はレフェリーになってしまった印象だ。両チーム合わせてイエローカード16枚、レッドカード2枚が提示された。基準に照らせばたしかに妥当なのだが、カードを出さずにコントロールできたのではないだろうか。
さて、試合は後半に入って51分、トルコがチャルハノールの芸術的なシュートで先制する。このシュート、めちゃくちゃいいシュートなので、まだ見ていない人はぜひ見てほしい。これで試合は決まったかと思ったが、66分にチェコがソーチェクのゴールで同点に追いつく。これ、ファウルじゃないの?と思ってしまうが、現在のルールに照らすとファウルではないのだろう。このまま終わっても2位通過のトルコであったが、アディショナルタイムに追加点をあげ、これでチェコは万事休す。グループステージでの敗退が決定した。トルコは勝利したもののキャプテンでエースであるチャルハノールがイエローカードで次戦出場停止となってしまった。
おわりに
今日でグループステージ全試合が終了し、ハンガリー、ウクライナ、チェコのグループステージ敗退が決定しました。ウクライナは勝点4で敗退、デンマークとスロベニアは勝点3で突破とちょっと不思議な感じがします。
決勝トーナメントは、日本時間6/29 25:00から始まります。明日はベスト16の紹介と展望について書きます。