いよいよ決勝戦!4度目の優勝を目指すスペイン🇪🇸と悲願の初優勝を目指すイングランド🏴の決勝戦の感想です。
クロージングセレモニー & スタメン
試合前、選手入場前にオープニングセレモニーならぬクロージングセレモニーが催され、スタジアムは異様な盛り上がりを見せていた。両国国家斉唱のときの、イングランド選手たちの高揚に対して、スペインは非常に冷静な印象だった。
スペインもイングランドもスタメンは大きなサプライズなし。
スペインは出場停止だったカルバハルとル・ノルマンが復帰。ペドリに変わって途中から今大会のヒーローに上り詰めつつあるダニ・オルモもスタメンに名を連ねる。
イングランドの左サイドはトリッピアーではなくルーク・ショーがスタメンに入った。ヤマル対策か。
スペインはダニ・オルモ、イングランドはケインが3得点ずつで得点王争いトップに並んでおり、得点王争いにも注目される。
前半
お互いに相当堅い入りでとにかく失点をしないようにと、攻から守への切り替えがこれまでの試合以上に速く、有効なカウンターすらほとんどないような状況。非常に強度の高い、見ていて呼吸をするのを忘れてしまうような緊迫した展開が続く。
特にスペインの左サイドのニコ・ウィリアムズと、イングランドの右サイドのウォーカーの攻防が激しく、お互いのゴールライン付近まで侵入してチャンスを作っていた。
スペインの右サイドのヤマルと、イングランドの左サイドのルーク・ショーの対峙も非常に緊張感の高いやりとりが続くが、ルーク・ショーがヤマルをほぼ封殺していた。
ABEMAの解説陣も言っていたが、内容が充実し過ぎていて、ほんとにあっという間の45分間だった。
後半+総括
後半開始からスペインはロドリに変わってスビメンディを投入。おそらくは前半終了間際のシュートブロックにいったときにヒザを負傷したものと思われる。スペインとしては想定外の交代を余儀なくされた。
後半開始早々、スペインが先制点をあげる。最終ラインまで落ちてきたファビアン・ルイスが右サイドでボールを受けて、高い位置を取っていたカルバハルへ。カルバハルはワンタッチでヤマルへ。ヤマルがドリブルで切り込んでDFをひきつけて左サイドからフリーで入ってきたニコ・ウィリアムズに丁寧なラストパスを送り、ニコ・ウィリアムズがゴールに流し込んだ。カルバハルの右足アウトサイドのワンタッチパスが決め手だったように思う。ヤマルは1点取ってからだいぶ余裕が出てきたようで、このチャンスでも無理にシュートにはいかずに冷静にフリーな選手を探してラストパスを送っていた。恐るべき16歳。
61分にイングランドはキャプテンであるケインを下げてワトキンズを投入、68分にスペインは同じくキャプテンのモラタを下げてオヤルサバルを投入。70分、イングランドはメイヌーを下げてパーマーを投入してより攻撃的な布陣とし、ここから両チームカウンターの撃ち合いの様相となる。さすがに中盤にスペースが出来てきたこともその理由の一つと言える。
そして72分、スペインの攻撃でオヤルサバルのシュートをピックフォードがキャッチ。そこからロングスローでベリンガム→パーマー→サカ→ベリンガム→パーマーとつないで同点ゴールを奪う。ピックフォードがキャッチしてから18秒後の出来事だった。シュートをキャッチしてからの速攻はピックフォードならでは。ベリンガムもパーマーもはじめのタッチは自陣の中盤で、そこから長い距離を走り込んでのゴールはいかにも現代サッカーという感じ。それにしてもサウスゲート采配がまた的中。さすがだ。
85分を過ぎるとさすがに両チームとも疲労感が見えてきて、スペースも空き始める。そして86分、スペインは最終ラインのラポルテからファビアン・ルイス、ダニ・オルモと縦にパスがつながり、さらにオヤルサバルへ縦パス。オヤルサバルからワンタッチで左サイドをこの時間帯にも関わらずスプリントしてきたククレジャへ。ククレジャもダイレクトでニアサイドにグラウンダーのクロスを供給し、そこにオヤルサバルが飛び込んでキーパーの前で触ってゴールに流し込んだ。これが決勝ゴールとなり、2ー1でスペインがイングランドを破って4度目の優勝を飾った。
90分、両チームとも集中を切らさない「個」も「組織」も世界トップクラスの戦いだった。お互いがお互いのストロングポイントを消し合おうとしつつ、それを上回る「個」の活躍があったり、それをまた「組織」が上回ったり、と目の離せない試合だった。これぞEUROの決勝戦、といった内容だったと思う。
おわりに
決勝に限らず、EURO2024は「あーおもしろかった!」というのが率直な感想です。
それにしても、どうしてこう若手が次から次へと出てくるのでしょうか。やはり育成なのでしょうか。日本も堂安、久保、冨安などヨーロッパでも活躍できる選手が出てきていますが、少なくともこのレベルの選手たちが量産できるように(言い方悪くてすいません)なれると、スペインであればヤマル、ダニ・オルモ、ククレジャ、イングランドであればフォーデンやパーマーなど、体格的には日本人と大きく差はないけど世界トップクラスまでいけるような選手が出てくるのかなぁ、などと妄想してしまいます。