Study After School 〜学校じゃ教えてくれないこと〜

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ライドシェア解禁の背景について考えてみた

2024年4月8日から一部地域でライドシェアが開始されました。

news.yahoo.co.jp

なぜ今ライドシェアなのか?

シンプルにまとめると以下の2点がライドシェア解禁の理由だと考えられます。
要するにタクシーが足りないからライドシェアで穴埋めできないか?というアイディアがベースにあります。

  1. 新型コロナ蔓延 → タクシー需要減少 → タクシードライバー離職 → タクシー減少
  2. 新型コロナ収束 → インバウンド需要拡大 → タクシー需要増加 → タクシー不足

どれだけタクシードライバーが減っているか?

タクシードライバーの数のデータを調べました。国土交通省のデータを元にしたグラフは以下の通りです。2000年から2021年までのデータなのでやや古いのですが、法人・個人ともに約40%減少しています。

なぜタクシードライバーは減り続けているのか?

タクシードライバーが減っていることはわかりましたが、なぜ減り続けているのでしょうか?
大きく以下の3点が挙げられます。

  1. 高齢化が進んでおりリタイアする人が少なくない
  2. 勤務時間が長いのに給料が安い
  3. 免許取得がむずかしい

「1. 高齢化が進んでおりリタイアする人が少なくない」については、厚生労働省の「統計からみるハイヤー・タクシー運転者の仕事 | 自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」というページを見るとよくわかります。タクシードライバー平均年齢はなんと60.7歳です!いくら退職する年齢が上がっているとはいえ、これは異常と言えるのではないでしょうか。
また、若い人がタクシードライバーにならないのは「3. 免許取得がむずかしい」が要因かもしれません。

「2. 勤務時間が長いのに給料が安い」については、やや古い情報ですが、国土交通省の「タクシー事業の現状について」という資料に以下のように書かれています。

タクシー運転者の年間所得は全産業平均の約半分であるが、労働時間は全産業平均よりも長い。

まさに悪循環の末の結果と言えます。

タクシー業界にテコ入れが必要で、早急に前述した問題を解決しないと業界そのものが滅びてしまう可能性があると思います。テコ入れをするにしても一朝一夕では無理なので、その穴埋めをしつつ、利用者の利便性向上も狙っているのがライドシェアなのだと考えます。

ライドシェア使いたい?

わたしのこたえは「はい」ですが、もう少し様子を見てから使いたいと思います。

安全面、治安面は確かに心配です。ですが、シンガポールではGrabが展開しているライドシェアを日常的に利用していましたし、東南アジアなどの旅行先でも利用しましたが、これまで大きなトラブルにあったことはないです。

ライドシェアを使うメリットは「つかまりやすさ」と「料金の安さ」の2点だと思います。ただ、現時点ではあくまでもタクシー不足の解消が目的で、"選択肢を増やす"まで至っていないので、今後数が増えて、タクシーとライドシェアの数が同じくらいになるとかなり使いやすく、かつ、料金も安くなるのではないかと予想しています。そうなると利用者も増え、マーケットも拡大し、タクシーもライドシェアも共存共栄できるはずです。

おわりに

ダイナミックプライシングも導入してほしいです。雨の日の朝とか大変なことになりそうですが。。

それはさておき、海外で成功しているプロバイダーの参入は考えられていないのでしょうか?運転手のレーティングやダイナミックプライシングなどもすでにソリューションがあるのにそれを活用しない手はないと思うのですが。