パリ五輪サッカー 女子 準々決勝 アメリカ戦の感想です。
※当記事は個人の感想であり、特定の団体や個人を批判することを目的とするものではありません。
日本🇯🇵 0ー1 アメリカ🇺🇸
一次ラウンドを2位で通過した日本だったが、準々決勝ではアメリカの勝負強さの前に惜しくも屈し、日本の復権、メダル獲得はならなかった。
スタメン
フォーメーションは3−4−2−1のような形になるか。
GK山下、3バックは古賀、熊谷、南の3枚。古賀と南がスタメン復帰。中盤はおそらくアンカーの位置に長谷川と長野。両ワイドは右が守屋、左が北川。インサイドハーフに藤野と清家で1トップに田中だと思われる。藤野は初戦以来の登場。マンチェスター・シティ加入の発表もあり、心身ともにコンディションがどうなのか。
個人的には谷川がベンチ外なのが驚き。
前半
日本はDFラインを高く保って前から積極的にボールを奪いに行く方針だが、アメリカもうまくボールを回して高い位置でのボールロストはほとんどない。
10分を過ぎたあたりからはアタックの勢いはやや弱めたが、アメリカの最終ラインにボールを持たせて、パスコースを限定したうえで縦パスを狙う。何度かそれがインターセプトにつながり、日本はボールを奪ってからそのままの勢いで攻撃に転じる。34分から立て続けにチャンスを迎えるがゴールは奪えず。
お互いにお互いのねらいがわかったので極端なリスクを負うプレーはできず、小康状態がつづき、0ー0で前半終了。
後半
後半開始から清家にかえて浜野を投入。これはおそらく予定通り。アメリカは交代なし。
後半も前半と同様にアメリカがボールを保持して、日本が奪ってカウンターを狙う展開。長谷川と長野のアンカー2枚が運動量、周囲とのコミュニケーションでチーム全体を引っ張る。まちがいなく今大会でベストの出来だったと思う。
アメリカはセンターバックのドリブルでの持ち上がりから日本のバランスを崩そうとするが、69分に田中から植木、79分に藤野から宮澤に交代し、前線のディフェンスの強度を落とさない。
両チームいくつかずつシュートまでいくチャンスがあったが、ゴールネットを揺らすことはできず、0ー0で終了。勝負は延長戦へ。
延長戦
延長開始から古賀にかえて高橋を投入。アメリカもマロリー・スワンソンにかえてリン・ウィリアムズを入れて前線に活力を投入。
延長に入って、はじめにペースを握ったのは日本。100分コーナーキックからの波状攻撃で何度もアメリカゴールに迫るも、得点は奪えず。
その後、アメリカはロングボールを入れるようになる。これが怖い、、と思っていたらこの試合、何度も破られていた日本の左サイドでロドマンにボールがわたり、1対1の状況を作られ、疲労のせいか北川があっさりとかわされ、センターバックのカバーも遅れ、ロドマンのシュートはゴール左上に吸い込まれる。アメリカが先制。リアクションサッカーを強いられていた日本にとって、先制点を取られるのは非常に痛い。
延長後半開始から長谷川にかえて林、北川にかえて千葉を投入し、日本は「攻め」に出る。しかしアメリカはしっかりブロックをしいて跳ね返してカウンターを繰り返す。
113分くらいから高橋をトップにあげて日本はパワーブレイに出る。攻撃の意思は統一されていたが、あまり高橋にボールは入らない。おそらく練習はしていたのだと思うが、練度・精度が伴っていなかった。試合はそのまま0ー1で終了。
総括
「あのシュートが入っていたら」とか「もう一歩寄せられていたら」と、どうしても思ってしまう。それくらい惜しい試合だった。試合の展開は日本の想定していた通りだったと思う。ミスもほとんどなかった。それでも勝ったのはアメリカだった。いったい何が足りなかったのだろうか。
おわりに
今回のなでしこジャパンにはアンダー世代で世界一になった選手も多く、「勝者」のメンタリティを知っているチームのはずでした。それでもアメリカには届きませんでした。なでしこジャパンの復権にはもう少し時間と実績が必要なのかもしれません。
男子も女子も準々決勝敗退となりましたが、選手、関係者のみなさん、お疲れさまでした。楽しませていただきました。ありがとう。
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